2025/08/19 08:15
8月19日は「俳句の日」です。この記念日は、俳句をより多くの人に知ってもらい、楽しんでもらうために、俳人の団体によって提唱されました。日付は、「8(は)・1(い)・9(く)」の語呂合わせに由来しています。
俳句とは
俳句は、五・七・五の十七音の短い言葉で自然の情景や感動を表現する、日本独自の定型詩です。
五・七・五の定型: 俳句は、音の数が厳格に決まっているのが大きな特徴です。
季語(きご): 俳句には、その句がどの季節を詠んでいるかを示す言葉である「季語」を入れるのが基本的なルールです。「春風」「夕立」「紅葉」「雪」などが季語の代表例です。季語があることで、短い言葉の中に豊かな情景や季節感が生まれます。
切れ字(きれじ): 句の中で意味を区切る役割を持つ言葉です。「や」「かな」「けり」などがよく使われます。切れ字を使うことで、句にリズムが生まれ、余韻を持たせることができます。
俳句の歴史
俳句の歴史は、江戸時代に松尾芭蕉が確立したと言われています。
芭蕉は、それまで連歌(五・七・五と七・七を複数人でつなげていく詩)の発句(最初の五・七・五)として使われていたものを、独立した一つの文学として完成させました。
明治時代には、正岡子規が「写生」という手法を取り入れ、より客観的に自然を観察して描写する現代俳句の基礎を築きました。
俳句の魅力
俳句の最大の魅力は、その短い言葉の中に広がる世界です。十七音という限られた言葉の中に、作者の感動や発見、そして豊かな情景が凝縮されています。
例えば、
古池や 蛙飛び込む 水の音
という松尾芭蕉の有名な句は、静まり返った古池にカエルが飛び込んだ一瞬の出来事を切り取っています。この短い一句の中に、古池の静けさ、カエルが飛び込んだ水の音、そしてその後の静寂といった、一連の情景が浮かび上がってきます。
現代では、季語や定型にとらわれず、自由に表現する「自由律俳句」なども生まれており、俳句は今も私たちの生活に寄り添い、進化を続けています。